COCONO アートプレイス (大野市古民家ギャラリー) / COCONO artplace (Ono City Gallery)

大野市古民家ギャラリー設計プロポーザル 最優秀提案 / Proposal 1st prize

福井県大野市 / Ono, Fukui / 2018年 / 美術館 / 木造伝統構造 / 敷地面積776.39m2 / 延床面積478.40m2 / 施工:大野建設工業 / 写真:中村絵

福井県大野市が所有する築120年超の伝統的木造古民家をコンバージョンし、市民所有アートワークの展示を主とした近現代美術館としました。ここでは、展示だけでなく教育や飲食、物販など様々な交流活動を通し、地域観光や市民活動の拠点とすることを意図しています。まずは壁柱工法による構造補強や自然エネルギー活用による環境性能改善を施すことでシェルターとしての性能を向上させ、複数の展示室を核としながら敷地内外に渡って流動性と回遊性を生み出すことで、街のように思い思いの活動を行える交流スペースをつくります。明治時代竣工の木造伝統工法による古民家は、日本最初の美術館と同等の歴史を持ちます。本計画では、これからの美術館建築の新たな方向性と、伝統的古民家の有効活用方法を示すことを重視しています。

We designed a public modern museum converted from a 120 year old traditional townhouse in Ono city. The most art collections are owned by ordinary people in this area. Our aim is to create a base for tourism and social activities in the middle of the town, promoting a variety of exhibitions, educational programs, commercial activities and so on. First of all we sheltered inside firmly, putting a structural reinforcement called “Kabe basshira method” and an environmental improvement with a natural energy system. Arranging several exhibition rooms apart and creating an opened ,sequential space around the site, each person can enjoy staying there in their own way.In the project, we put stress on presenting a new museum model and showing a modern renovation method of a traditional building.

既存建物はかつての火事の折に再建されたことから、オモヤも含めた建物全体が蔵のような頑強な架構を持ち、厚い漆喰で覆われています。その重厚な外観を保ちながら、街に対して開放的に計画し、親しみある佇まいにしたいと考えました。一方で現代の美術館としての構造性能や環境性能を満たすために、開放性と壁量確保を両立させる必要がありました。ここでは、各展示室を主として耐震補強と気密性確保を施し、バランス良い構造・環境計画としながら、通りに対して明るく開いています。伝統工法による木造架構を構造補強するに当り、既存架構の粘り強さを保ちながらも構造強度を上げる必要があり、また大梁の多用によるたわみを解消することが求められました。ここでは、杉無垢の柱材を束ねた「壁柱工法」を採用し、粘り強さと強度を兼ね添えた、伝統工法補強にふさわしい構造計画としています。